ブルーバックス編集部が最先端の研究を行う現場にお邪魔して、どんなことが行われているのかをリポートする研究室探訪記。今回は、〈重さ〉の定義を改定する動きが最終コーナーに入っていると聞き、産業技術総合研究所・計量標準総合センターを訪ねた(取材・文/中川 隆夫)。 もし、重さや長さの単位が地域でバラバラのままだったら、どんな世界になっていただろう。その昔、国によって寸法に差があった時代、隣国の船大工が協力して造った木造船を海に浮かべたらバラバラになってしまったという笑えない話もある。 フランスで生まれたメートル法を世界に普及させようと、1875年に世界17ヵ国で締結された「メートル条約」は、そんな悲劇を繰り返さないための先人たちの知恵だった。国の利益ではなく、世界の理解を得るため、基準となる「ものさし」は、すべての人にとって受け入れられる自然のものからとることにした。 長さは、赤道から北極点まで
![まもなく、「キログラムの定義」が変わる日がやってくる(中川 隆夫,ブルーバックス編集部,産業技術総合研究所)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7ee4a7f5895ab93975dbaa9df99a63e2922e2aba/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2F2%2F1200m%2Fimg_82df504253a3d0af18028de55771f2b8174511.jpg)