プロジェクトの具体的なスケジューリングに入る前に,コスト計画を作成しなければならない。まず開発範囲や規模をもとに開発負荷を見積もり,要員コストや外注費を算出する。リスクに対する予備費も考慮する必要がある。では,どのような手順で見積もり作業とコスト計画を実施すればいいのだろうか。 布川 薫/日本IBM 前回は,プロジェクト計画における「品質管理計画」について解説した。今回は,引き続きプロジェクト計画における重要な作業である「見積もりとリスク査定」および「コスト計画」について解説する。 プロジェクト計画段階での見積もり方法は,必ずこうしなければならないという標準手順はないが,一般には次のようなプロセスを踏むことが多い。まず,対象システムの大枠の開発規模や開発負荷を見積もる(図1のP1)。大枠の見積もりができたら,ほかの見積もり方法でこれを検証する(図1のP2)。大事なポイントは,2つ以上の異な