新興国の一角を占める中国は、今や、低迷する世界経済のエンジンにたとえられている。 その中国経済が減速し始めているのではないか、という観測が流れ始めた。最近になると、1月23日から始まる「春節(旧正月)」の消費が低迷し、経済成長率が伸び悩むだろうとの予想まで国内で報道されているほどだ。お正月気分に浸っている中国人庶民の懐具合まで、日本側が心配する。それほど、経済的相互依存関係は深まっているということだろうか。 昨年3月ごろ、円相場が円高・ドル安に大きくふれ、1ドル=76円台まで急上昇したことがあった。別に日本経済が強かったわけではなく、米国経済に問題があったため、ドル売りが進んだという解説が当時、多かったように思う。ちょうど、そのころ、中国を専門とする大学教授から、「円高は、中国の仕業ですよ」と、耳打ちされた。中国政府系のファンドが世界一の外貨準備高を背景に、NECや三井物産など日本の大手企