【サンクトペテルブルク=浜砂雅一】ロシアのクドリン副首相兼財務相は6日、サンクトペテルブルクで開かれた経済フォーラムで、中国の人民元が対外支払い用の新たな準備通貨になるとの見通しを示した。 ロシアは米ドルを基軸とする「一極支配」の改革を呼びかけており、人民元を米ドルと並ぶ国際通貨として積極的に支持する立場を表明したものだ。 クドリン副首相は「中国が経済を自由化し、人民元の兌換(だかん)性を保証することが、新たな準備通貨を最も短い期間で創設することにつながる」と述べ、中国が決断すれば「それは約10年で可能だ」と指摘した。 国際的な金融危機で深刻な打撃を受けるロシアのメドベージェフ大統領は、4月の主要20か国・地域(G20)金融サミットで、米ドルやユーロなどと並ぶ新たな準備通貨が必要と強調していた。