膨大な展示品の中で一番思い入れがあるのは、やっぱり中央・北アジア展示場にある「タシュケントの民家」です。 タシュケントに実在する家屋をモデルに造られたこの模型は、中庭の植え込みから、縁台の上の茶器、玄関の住所表記にいたるまで、現地の暮らしの景色をありのままにいきいきと再現しています。旅行で大阪を訪れた10代なかばの頃。はじめてこの展示をみたときに、心をぐわしと鷲掴みにされました。見ての通り全体的に古くさくて土ぼこりにまみれているのですが、なんて美しい家なのだろうと。 それからおよそ10年後に念願のタシュケントを訪れ、その魅力にどっぷり浸かり何度も旅行することになるのですが、おれにとって中央アジアへの憧れの入り口には、この展示模型があったというわけです。 今でも年に一度はみんぱくに遊びに行きます。模型のサイズはかなり大きくて、一辺が2mくらいのほぼ正方形。模型の周りをぐるぐる何周もしながら、