大学の講義で現代の部落問題について話すと、「まだ差別がなくなっていないことに驚いた」、「昔の話だと思っていた」、「もう差別などないと思う」、「高齢者は差別するかもしれないけど若い世代は差別しない」といった反応がある。また、部落問題を知らなかったという学生や、耳にしたことはあるが学校で習った経験は一度もないという学生は、クラスの中の一定の割合を占めている。 一方、少数ではあるが、小・中・高で日常的に部落問題学習(同和教育)を受けてきて、非常に身近な問題だったという学生もいる。とはいえ、年に1回程度、道徳の時間や全校集会で勉強したという学生が割合として一番多い。 生まれ育った地域に被差別部落があるかどうか、地域で部落問題がどれだけ顕在化しているか、行政が問題解決にどれぐらい力を注いでいるか、同和教育をどの程度受けているか、親や周囲の人がどのように伝えていたか、そして本人がどう捉えていたかなどに