2019年度入学式祝辞 校祖新島襄は明治23年1月23日、神奈川県大磯の地で病のため天国に召されました。46歳の、それこそ全速で駆け抜けるような短い人生でした。亡くなる2日前、早朝午前5時、10ヵ条の遺言を口述し、門弟の徳富蘇峰に筆記させています。そのひとつには「同志社ニ於てハ倜儻不羈なる書生ヲ圧迫せす務めて其の本性ニ従ひ之か順導し以て天下の人物ヲ養成す可き事」と書かれています。新島が愛してやまなかったのは倜儻不羈の学生ですが、逆に嫌ったものは「わが校の門をくぐりたる者は、政治家になるもよし、宗教家になるもよし、実業家になるもよし、教育家になるもよし、文学者になるもよし。かつ少々角あるも可。奇骨あるも可。ただかの優柔不断にして安逸をむさぼり、いやしくも姑息の計をなすがごとき軟骨漢には決してならぬこと。これ予の切に望み、ひとえに願うところなり」としています。 新島の理想とする人物育成を教育事