若き政治家、小泉進次郎(35)が農業改革のため、全国を飛び回っている。農政については素人だった進次郎が、短い期日の中で農業についての知識や理解を深めている。その一応の成果が11月25日、政府・与党の「農業競争力強化プログラム」として、取りまとめられた。そこで今までの顛末と評価をしてみたい。 農業界が主張したのは、TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉によって関税が撤廃されると、農業が壊滅するのではないか、ということだった。安倍晋三政権が進次郎を自由民主党の農林部会長に起用したのは、その人気を利用してTPPに不満を持つ農業界をなだめようとしたのだろう。しかし進次郎は、任命者にとって想定外の活動をする。 肥料や農業機械の価格に目を付けた 進次郎が目を付けたのは、肥料や農業機械など、農業生産資材価格の高さだった。これらの資材が高いので農産物の生産コストが上昇し、外国農産物との競争力がなくなる結果、