原発事故現場が戦争に例えられることが多い。原発推進派の石川迪夫や反原発の小出裕章氏を始め多くの人がそのように発言している。筆者もそのように感じる。とはいえ私は戦争を経験しているものではないので福島原発事故現場は戦争のような大変な現場なのだろうなあ、と思うしかない。 いったい何が戦争なのか。死を賭して作業に当たっていることが、戦争だと例えられる理由の1つであることはわかる。放射能を恐れて福島から疎開する人達がいることも、空襲を避けて疎開した戦時中を思い起こさせる。そういう具合に戦争との類似点をいくつも僕たちは見つけることができるだろう。 この類似点は、戦争の被害という視点で語られるものだ。だが本当に似ているのは被害の点だけだろうか。 「日本海軍400時間の証言 軍令部参謀たちが語った敗戦」(NHKスペシャル取材班) NHKスペシャル制作の経験を書き記した書籍だ。 私はすぐに、海軍と東京電力を