『桃華月憚』がここ3話ほど素晴らしい話が続いており、逆再生ばかりに気を取られていた不明を恥じると共に、改めてそのクオリティの高さに注目しています。特に第21話「園」には驚かされました。 この通り、冒頭から何故かモノクロ、全国100万人の視聴者がいっせいにテレビを叩いて直そうとしたために、翌日は家電屋さんが大繁盛という伝説を……という話ではなくて、部分的には色がついているのでわざとなんだろうな、ということはわかるものの、物語は何の説明もないままモノクロで進んでいきます。 桃花のモノローグがこれでもかというくらい流れて、何だろう、もしや一昔前の文学っぽさ演出するためのモノクロかしらといぶかしんでいたところでこのシーン。 部屋に反物が広げられるたびに、空間が色を取り戻していきます。それ自体鮮やかな色彩なのですが、それまでのモノクロ空間との対比でより一層素晴らしい色彩感覚を演出しているのです。こう