防犯意識が高まってきた。ところによっては防犯パトロールを始めたという地域もある。これで空き巣は減るのだろうか。防犯に関して、工学的な研究だけでなく、社会活動の面でも精力的に活躍している樋村恭一さんと、セキュリティーそのものを対象とした調査・研究を進めている甘利康文さんの、専門家お二人に、今の防犯意識に‘すき’はないか、聞いた。 セコム IS研究所:甘利 康文氏 大妻女子大学家政学部:樋村 恭一氏 聞き手/橋本 敏彦、文/諏訪 弘 、写真/いずもと けい 10月25日 ――昨今、一般の人の間でも防犯に対する意識が高まっています。大手百貨店の防犯グッズ売場が拡充してきたり、あるいはハウスメーカーが売り出したセキュリティー住宅が好評を博していたりといった事実はそれを裏付けています。こういう状況を、セキュリティーの専門家のお二人はどう見ていますか。 甘利: よいことだと思います。防犯意識が高