【バンコク岩佐淳士、北京・工藤哲】カンボジアの首都プノンペンで22日、服飾工場の管理職を務める中国人女性がシアヌーク前国王の肖像写真を破いたのに抗議して、従業員ら1000人以上がプノンペンでデモ行進した。女性は警察当局に逮捕され、23日に裁判所に移送された。 中国人女性は、15日に死去したシアヌーク前国王の追悼のため従業員が仕事をしないことに腹を立て、従業員が持っていた前国王の肖像写真を奪い、破いたという。カンボジアでは王制への侮辱は罪に問われるが、女性がどんな罪状で逮捕されたかは不明。 中国外務省の洪磊(こうらい)副報道局長は23日の定例会見で「シアヌーク前国王は中国人民の偉大な友人で、カンボジア国民にも深く愛されている。関連の人物の行為は誤った行為だ」と非礼を認めた。 前国王死去を巡っては、タイのテレビ局の女性リポーターが16日、前国王の写真を足元において報じていたのがネットなどで批判
政府の「30年代原発ゼロ」戦略を、金曜日恒例となった反原発行動の参加者たちはどう見たのか。東京・首相官邸前などで14日夜、感想を尋ねると「だまされるな」「今すぐ原発をなくせ」という答えが返ってきた。【川崎桂吾、馬場直子、春増翔太】 「市民の力で政府から『原発ゼロ』という言葉を引き出すことができたことは大きい」。抗議行動のリーダーの一人でイラストレーターのミサオ・レッドウルフさん(ペンネーム)はこう評価しながらも「(国内で唯一稼働中の)大飯原発の即時停止を求めている私たちにとって本当の勝利には遠い」と話した。 この日の行動は午後6時にスタート。「原発いらない」「原発やめろ」のシュプレヒコールが続く。「一時期より人が減った」(参加者)とはいえ、この日も家族連れや会社帰りのサラリーマンらの姿が目立つ。 「ごまかされているように思えてならない」と話すのは千葉市の男性会社員(36)。3回目のこの日、
政府の「エネルギー・環境会議」は、総発電量に占める原子力発電の割合について「2030年代前半の原発ゼロ」を目標とする方向で検討に入った。来月にもまとめる新たな「エネルギー・環境戦略」に盛り込む。9月の民主党代表選や次期衆院選を前に、原発ゼロを求める世論や与党内の声を無視できなくなったほか、洋上風力発電など再生可能エネルギーの実用化に向けた技術革新を促す狙いもある。ただ、原発ゼロの実現には課題が多く、経済界などから反発も見込まれる。【笈田直樹、岡崎大輔】 政府は東京電力福島第1原発事故を受け、30年時点の原発の割合を0%、15%、20〜25%とする三つの選択肢を示している。ただ、枝野幸男経済産業相は9日のインターネット番組で「30年に線を引くと決めているわけではない」と述べ、柔軟に対応する姿勢を示している。 政府内では当初、40年時点で原発ゼロを目指す案もあったが、玄葉光一郎外相が7月下旬、
昨年3月の東京電力福島第1原発の事故を受け、停止の相次いだ国内の原発がついに全基停止した。事故から約1年2カ月、事故現場では先の見えない処理作業が続き、原発の肩代わりをしている全国の火力発電所では、故障による急停止におびえながら電力安定供給に向けたフル稼働が続いている。 原発ゼロのまま猛暑を迎えた場合、日本列島の電力の頼みの綱は長期間の停止状態から再稼働させた火力発電所だ。しかし、再稼働した火力の多くは運転開始から40年以上過ぎて老朽化しており、現場技術者がだましだまし動かしている。予備の供給力がほぼゼロの現状では、火力が1カ所急停止するだけでも大規模停電の引き金となりかねず、電力供給は薄氷の上にある。 東京湾南西岸にある東京電力横須賀火力発電所(神奈川県横須賀市)。福島第1原発事故を受けて昨年6月、1年3カ月ぶりに再稼働した同火力の敷地内には「立ち入り禁止」の張り紙が随所にある。煙突につ
◇キーワードは自己充足 世代間格差が話題だ。「若者がかわいそう」だの、「かわいそう」はウソだの、若者以外が騒いでいる。ところが26歳の社会学者、古市憲寿(のりとし)さんはいう。「世代間格差に一番怒ってるのは40代のオジサン世代じゃないですか」。ええっ!? 40代としては聞き捨てならない。ならば聞かせてもらいましょう。「若者ってかわいそうではないの?」【小国綾子】 ◇気の合う仲間と日常を楽しみ、案外社会に真剣に向き合って、自分にできることをしようと、まじめに思ってる 古市さんは現在、東大大学院生。9月には「絶望の国の幸福な若者たち」(講談社)、10月には社会学者の上野千鶴子さんとの対談集を出版した。ポスト・ロスジェネ世代の若者論の旗手として、今やメディアで引っ張りだこだ。 待ち合わせ場所は、昼下がりの東大本郷キャンパス(東京都文京区)。古市さんと同世代の意見も聞きたくて、研究仲間の大学院生(
金融庁は22日、金融機関が中小企業などに融資する際の連帯保証に関する監督指針を7月にも改正する方針を固めた。経営者の家族や知人らで、経営に直接関与していない第三者に対する個人連帯保証を原則禁止にする内容。第三者の積極的な申し出で、連帯保証を認める場合でも、その意思を事前に署名文書で確認するよう金融機関に義務づける。 企業が倒産した時などに、保証人を引き受けた知人や親戚が借金を肩代わりする連帯保証には以前から批判が強く、同庁は東日本大震災前から指針改正を検討。震災で被災した債務者が破産した場合などに、連帯保証人への請求が頻発する恐れがあるため、改正の具体化を急ぐことにした。過去の債務については、今回の改正は適用されないが、金融機関が新基準に準じて連帯保証人への請求を配慮するよう促す。 新指針で連帯保証の対象から外すのは、経営に関与していない家族、親族、先代経営者、仕事上の関係者ら。積極的な申
警察庁は3日、2010年の自殺統計を公表した。自殺者総数(確定値)は前年より3.5%減少したものの、3万1690人で13年連続の3万人超え。「就職失敗」が原因・動機の一つと判断された人が、前年より2割多い424人に上り、うち大学生は46人で前年の2倍になった。「超氷河期」と言われる厳しい就職環境を反映したとみられる。一方、「負債」は改正貸金業法の完全施行を背景に減少した。 自殺者が、3万2000人を下回るのは、01年以来9年ぶり。警察官の聞き取りなどによって、原因・動機を、家庭問題▽健康問題▽経済・生活問題▽勤務問題▽男女問題▽学校問題▽その他--の七つに区分。さらに52項目に分けて、推定される項目を三つまで選択して集計している。 「経済・生活問題」のうち、「就職失敗」を原因に含むとされた自殺者は、07年180人、08年253人、09年354人と増加傾向が続き、10年は70人(19.8%)
東京都の石原慎太郎知事は7日、同性愛者について「どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」と発言した。石原知事は3日にPTA団体から性的な漫画の規制強化を陳情された際、「テレビなんかでも同性愛者の連中が出てきて平気でやるでしょ。日本は野放図になり過ぎている」と述べており、その真意を確認する記者の質問に答えた。 7日の石原知事は、過去に米・サンフランシスコを視察した際の記憶として、「ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った。男のペア、女のペアあるけど、どこかやっぱり足りない感じがする」と話した。同性愛者のテレビ出演に関しては、「それをことさら売り物にし、ショーアップして、テレビのどうのこうのにするってのは、外国じゃ例がないね」と改めて言及した。【真野森作】
記者会見で笑顔を見せる長谷川智也さん=岐阜県各務原市で2010年11月15日午後3時25分、三上剛輝撮影 難関とされる公認会計士試験の結果が15日発表され、岐阜市の長谷川智也さん(16)が従来の18歳を更新する史上最年少で合格した。今年の合格率は8%で、合格者の平均年齢は26.3歳。毎日10時間も勉強したという長谷川さんは「分からないことをその日のうちに解決したことが合格につながったと思う」と語った。 会計事務所に勤める父、時彦さん(52)の影響で中学3年生だった08年9月に簿記の勉強を始め「18歳で公認会計士試験合格」の目標を立てた。中学卒業後、通信制高校で学びながら、岐阜県各務原市と中部学院大(同県関市)が共同で設けた講座「各務原シティカレッジ」で会計の勉強に打ち込んだ。「膨大な量の暗記が大変だった」といい、集中力が落ち、プレッシャーから寝られない時期もあった。10歳以上年の離れた受験
女子高生(18)を脅して金を奪おうとしたとして兵庫県警明石署は31日、同県明石市魚住町西岡、ビデオ店店員、森郁弥容疑者(20)を強盗未遂容疑で逮捕した。女子高生は柔道初段で、突きつけられたナイフを取り上げたうえ、ドライブに誘われたことから機転を利かせて携帯電話の番号を聞き出し、逮捕につながった。女子高生は「またやるだろうから、何としても捕まえるきっかけをつかまないといけないと思った」と話している。 容疑は25日午後11時25分ごろ、同市二見町のショッピングセンターの女子トイレで、女子高生に果物ナイフを突きつけ、金を要求したとされる。 同署によると、女子高生は買い物途中。トイレの個室から出たところ、森容疑者は女子高生の胸ぐらをつかみ、壁際に押しつけたが、ナイフをさやから抜こうとした際に女子高生が森容疑者の腕をつかんでナイフを奪い取った。 森容疑者は当初、興奮していたが、女子高生が約20分間い
開会中の3月議会に出席を拒んでいる鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)が29日夜、反市長派議員による議会報告会に“乱入”。議員らに「市政には参加させない」などと言い放ち、議員らと一時もみ合いになった。 報告会は市長宅から数十メートルの公民館であり、反市長派議員10人と約80人の市民が参加した。市長は開始前、「反対派がうそを言うかも」と、出席理由を説明していた。 報告会で議員から市長の出席拒否を非難する声が出ると、市長が突然マイクを握り、市職員の高給批判など自説を展開。ヤジを浴びながら約5分間話し続け、壇上の議員に「あなたたちは市政に参加させません」と言い放った。帰り際に市長が議員を「ばーか」と罵倒(ばとう)したため、もみ合いになる一幕もあった。 竹原市長は今月4日以降、本会議と予算特別委員会の出席をすべて拒み、委員会では一部の課長に答弁拒否を命じるなど混乱が続いている。【馬場茂、福岡静哉
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