●「ガーリー」をテーマに。 つい最近試写をご覧になった皆さんから、たてつづけに「百合アニメ」という評をいただいてしまいました。 実は、こちらとしてそれほど意外に思わないところがあってしまいます。表紙の上にかかる帯に「日本版赤毛のアン」とうたわれた本を原作にとった我々が目指したのは、まず「ガーリー」であることでしたので。 我々としては「昭和30年もの」というジャンルにすっぽりはまって、ただその時代の懐かしさを追求するだけで終わりたくなかったのです。 白い雲と緑の麦畑が広がる防府の風景は、まさにそれにうってつけでした。 辻繁人さんの端正で清潔感あるキャラクター・デザインが必要だったのも、mookiさんの歌声のハーモニーを求めたのも、すべては同じところからです。 そこで鍵になってくる貴伊子のたたずまいをどう設計していこうか、と考証協力・前野秀俊さんにはかってみました。前野さんは戦前から戦後にかけ