墓所の主とナウシカとの対決の中で、浮き彫りになったもののひとつが、生命に対する認識の違いでした。 ここでは、非常にわかりづらい議論が展開されました。 大きな理由の一つは、宮崎監督が、「いろいろ書くとうそっぽくなる」と考え、ナウシカに意見を十分語らせなかったためだと思います。 「どうしたって全部嘘くさくなるから、僕はナウシカに言わせるのはやめよう、と思ったんです。僕自身は、もう少し物事を整理して掴まえているつもりだったんだけど、「ナウシカ」を書き進めているうちに、逆に何にも整理がつかなくなって、要するに、言葉がなくなってしまった感じでした。ちょうどナウシカ自身が言葉をなくしているような感じで・・」(宮崎監督インタビューより) その結果、主との対決という、ある意味この作品で最も重要なシーンであるにも関わらず、議論がとてもわかりにくくなってしまいました。 「冷静に考えると、主が言ってい