誰も読まないだろうけど、とにかく吐き出す。 去年の今頃、元カノと花見をした。 それまでの俺の人生では「桜」は苦しみの起爆剤だった。綺麗な桜とそこに集う人々を見るたびに、自分の孤独さが強調された。桜が放つキラキラした美しさは俺には美しさではなく、毒でしかなかったんだと思う。桜が綺麗であればあるほど、その裏にある桜の綺麗さを誰かと共有できない自分が濃く浮かび上がった。 冒頭に戻る。 俺は元カノと去年花見をした。 彼女と花見をする。そんな瞬間が俺にも訪れるなんて。どれだけ素晴らしい日になるのだろう。 そう思ったのだが。 花見当日は、雨が小降りで降ったあとだった。 遠方から、彼女は弁当を持ってやってくる。 その前に俺はブルーシートで場所取りをする。桜で有名な川沿い。満開に咲く桜と曇り空。人ごみ。あふれんばかりの人。 その中、スペースを見つけた。雨で濡れたぬめっとした地面に、ブルーシートを引くと少し