「民法の思想」とは、どのようなものか。1000条以上の条文の中で最も大切な四、五ヶ条に集中し丁寧に解説します。そこは「個人の生活」と「社会の構成」に関する基本的な考え方が書き込まれている取りわけ大切な部分だからです。本書を読み終えたときには「民法」とはどのような法律なのかが明らかになることでしょう。 はじめに 第1回 民法典の制定——19世紀型民法(国民国家の民法)の移植 I 原一条——「私権」の(抽象的)主体としての「人」 II 原二条・原三条——「帝国臣民(家父長)」としての「人」 第2回 民法典の改正——20世紀型民法(福祉国家の民法)への変貌 I 新一条二項三項——一般条項による権利の社会化 II 一条ノ二と新一条一項——平等の出現と福祉の強調 第3回 民法典の再改正へ——21世紀型民法(共和国の民法)模索 I 二条の二第一項新設から新々二条二項一号へ——人格権の保護 II 三条一