今年10月の総選挙で躍進を遂げた維新の会、特に大阪では候補者を立てた選挙区を全勝するなど圧倒的な強さを見せました。結成された当初は「稀代のポピュリスト」橋下徹の人気に引っ張られた政党という見方もあったと思いますが、橋下徹が政界を引退してもその勢力は衰えていません。 しかし、その維新の会も大阪都構想をめぐる住民投票では2015年、2020年と2回続けて敗北しました。維新の人気が下り坂になっているわけではないのに、看板政策で2度にわたって躓いたのです。 この1回目の住民投票を中心に分析したのがサントリー学芸賞も受賞した著者の前著の『維新支持の分析』でした。 前著では維新への支持は「弱い支持」であると位置づけた上で、住民投票の否決に関して、「すなわち態度変容を生じさせやすい維新を支持していた大阪市民が、特別区設置住民投票の特異な情報環境下で、自らの批判的な志向性に基づき熟慮した結果、賛成への投票