最近は本を読む機会が減ってネットばかり見ているが、そうすると、この国には政治学者がいないのだろうか、という気になってくる。ネットで目立つのは経済学や社会学、哲学の研究者や批評家・運動家ばかりで、政治学関係の研究者は一様に慎ましい。多少なりとも目に入るのは(本人の自称はさておき)政治評論家や政治ジャーナリストの類で、いわゆる政治学者はネット上に一定数散在しているものの、他の分野の人と絡んだり旬の話題に口を出したりすることを避け、近況報告や内輪のコミュニケーションに明け暮れている傾向が強い。 試しにブログ検索で「牧原出」や「待鳥聡史」などを入力してみても、松井さん・砂原さん・山田さんの3ブログ以外はほとんどひっかからない。これは深刻な問題である。他の分野と比べ、政治学者はウェブ上で過疎状態にあるのだ。 事態はネットに限定される話ではない。今、相対的に勢いのある媒体である『思想地図』と「シノドス