「憲法十七条」については、CiNiiなどで検索すると、偏った視点で褒めまくるばかりで内容がない論文(というより、太子礼賛の形で自分の思いを連ねる文章)が多数ヒットします。そうした中で、文献に基づいてしっかりした検討を加えているのが、 山下洋平「七世紀の日本における中国思想の受容と『管子』-憲法十七条・時令思想・鍾匱の例を中心に-」 (『九州史学』172号、2016年3月) です。山下氏は古代東アジアにおける儒教思想、特に礼のあり方などについて研究している若手研究者です。 『論語』の文句を記した七・八世紀の木簡がいくつも出土していることが示すように、古代の日本では儒教の受容が進みつつありました。『論語』や『礼記』が説く「和」重視を冒頭に掲げる「憲法十七条」についても、儒教の影響が指摘されています。ただ、「憲法十七条」については、儒教と仏教以外に、法家や道家などの思想の影響も見られることが早く
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く