関東社会学会:年次大会---第67回大会(報告要旨・報告概要:テーマ部会B) *当日コメント ・拙著『「新自由主義」の妖怪』(稲葉[2018])を踏まえていただいて大変光栄であるが『政治の理論』(稲葉[2017])を踏まえていただかないと実はコンテクストが十分にはわからないはず。 ・古いマルクス主義の発展段階論の構図を前提にすれば「新自由主義」概念は一見わかりやすい。すなわち、後期資本主義=国家独占資本主義が行き詰まり、支配階級たる資本家は体制維持のために小さな政府、規制緩和に逆行しようとする。つまりはファシズム同様の反動、資本主義の断末摩である、と。 この理解の欠点――いつまでも「断末摩」が続く万年危機論。しかも社会主義の崩壊後もまだやっている。国家独占資本主義がそもそも資本主義の断末摩で、その後社会主義に移行するはずではなかったか。「新自由主義=ポスト国家独占資本主義」とかお前ら真面目