美とは何か?――芸術家でも、女優でもないわたしたちにとって、それはどこか遠い世界の問いのように感じられるかもしれません。だけど実際には、日々わたしたちは美しさや醜さに右往左往しながら暮らしています。ふと駅のトイレで自分の顔が鏡に映ったとき、わたしたちはそれがいつもより少し疲れて見えただけで、恐ろしく動揺します。また、なかなかイケメンではないか、といい気分になったりもします。実は自分たちが思っている以上に、美醜の問題は生きていくことを支えてくれたり、困難にしていたりするのです。 心理療法家として、美をめぐって苦悩する人との話し合いを行ってきた著者。本連載では、人がいかに見かけに傷つけられ、見かけに救われるのか。生きていくうえで、美醜とは心にとっていったい何なのか?といったことを考察していきます。 生き延びるための美学。 編集者から「タイトル、堅苦しすぎ的な気もするんで、ほら、もっと、若い世代
フロイト著作集 第9巻 技法・症例篇フロイト 小此木 啓吾 人文書院 1983-01 売り上げランキング : 387174 Amazonで詳しく見る by G-Toolsどうもフロイトが読まれてないよなあ。もしあなたが哲学者ではなく「臨床家」になりたいのなら、第9巻は読んでおいてください。精神分析の実際的な技法について書いてある論文集です。精神分析に限らず、認知行動療法も解決志向アプローチも、この論文集のどれかを敷衍したものです。それくらいアイデアの萌芽が詰っている。 中でも重視してほしいのは「分析医に対する分析治療上の注意」。面接の記録を取ってはいけない、とか、本能を昇華させるのではない、とか、過去の家族関係が原因なのではない、とか、ほとんど「精神分析」について常識とされていることが覆されてます。じゃあ、精神分析とは何か。それは自由連想。それも、分析家側の自由連想をフロイトは奨励していま
同じ臨床心理学といえども、その内部は多くの流派に分岐しています。小堀修先生は、認知行動療法(医療でも保険点数が認められており、主に思考や認知、行動の変化に焦点を当てることが多い)とスポーツ心理学を専門としています。東畑開人先生は、力動的心理療法(ユングやフロイトに源流を持ち、無意識の領域に焦点を当てることが多い)と医療人類学(様々な文化の様々な治療を比較して、「治療とは何か」を考える学問)を専門としています。 小堀先生と東畑先生は、イギリスのSwanseaで出会い、そこで認知行動療法について議論を交わしたそうです。帰国後、東畑先生はヒーリングの世界の癒しについて研究した近著「野の医者は笑う」を小堀先生に送り、そこから対談が始まりました。 臨床心理学とヒーリングの違いとは何か? 小堀 「野の医者は笑う」をウェールズまで送って頂き、ありがとうございました。この本を読んで連想したことから、対談を
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