古典落語には色々な演目がありますが、その中でも有名なのが『死神』という噺です。内容がわかりやすく面白いので、長年多くの人から愛されています。 サゲ(話のラスト、落ちの部分)のバリエーションがいくつかあるのも特徴で、噺家によって内容が変わるのも魅力の一つ。今回はそんな『死神』についてご紹介します。 『死神』のあらすじ あるところに、借金まみれの男がいました。彼は返済のために新たに金を借りようとしましたが、どこからも借りることができません。そんな姿を見た男の妻は、あんたなんか死んでしまえというひどい言い草ぶり。 悲惨な状況から本当に死んでしまおうと決めた男は、首を吊ろうとします。するとそこに、死神が現れました。はじめは「お前のせいでこんなことになった」と怒る男ですが、死神は男に金儲けの方法を教えると言います。 その方法とは、医者になることでした。この世で病を患っている人には死神がついており、そ