国境の南、太陽の西 (講談社文庫)/村上 春樹 ¥540 Amazon.co.jp 村上春樹『国境の南、太陽の西』(講談社文庫)を読みました。 『国境の南、太陽の西』というのは、物語の構造だけを取り出せば、単なる不倫の話です。満ち足りた幸せな生活を送る37歳の〈僕〉が、島本さんという女性のことを好きになってしまうんです。どうしようもなく。 奥さんと2人のかわいい娘に恵まれた幸せな家庭があり、義父の力を借りたとは言え、バーなどの飲食店を経営していて、仕事も充実しているのに。 ところが普通の不倫の小説とはなにかが決定的に違います。これは村上春樹の小説の特徴でもありますが、恋愛など感情としてのよろめきが描かれるのではなく、〈どうしようもないなにか〉が物語を動かしています。そうした感覚は実際に読んでもらうしかないと思いますが、そんな不思議な感じの小説です。 『ノルウェイの森』のところでも多少触れま
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