2000年2月16日、 Macworld Expo / TokyoにおいてアップルCEOのスティーブ・ジョブズは、Mac OS Xの日本語環境としてヒラギノ6書体が搭載されることを発表。ジョブズが自らMacを操作して「愛」という字をスクリーンに表示しました。それは、Mac OS Xが日本のMacユーザーにとって、本格的なDTPに最適のOSなのだということを強く印象づけました。 ベーシックな本文明朝を作りたかった 鳥海(とりのうみ)修氏が、鈴木勉氏、片田啓一氏と字游工房を立ち上げたのは1989年のこと。それまでは3人とも大手写植機メーカーで書体のデザインをしていました。彼らはスーボ、ゴナ、本蘭明朝など、有名な書体の開発に関わってきたメンバーだったとはいえ、独立して必ずしも成功が約束されていたわけではありません。「それよりも、ベーシックに使われる本文用書体を作りたいという思いがとても強かっ