老舗かばん店「一澤帆布工業」(京都市東山区)の相続争いを巡り、裁判で長男一澤信太郎氏から経営権を手に入れた三男信三郎氏側が、正当な理由もなく同社を休業し給料をカットしているとして、従業員7人が1日、同社に減額分の支払いを求める訴訟を京都地裁に起こした。 相続争いをきっかけに三男は06年、別会社「一澤信三郎帆布」を設立。一澤帆布の経営権も得ることが今年6月に最高裁で確定したが、同社は「業務引き継ぎのため」として7月から休業している。 訴えによると、一澤帆布は休業を理由に賃金を60%に切り下げ、社員二十数人全員に退職を勧奨。契約社員1人は10月末で雇い止めにされた。【熊谷豪】