3月11日は朝から大事な打ち合わせが入っていたが、昼過ぎに問題がおおかた片付いた。ほっとしてやや脱力気味で、遅い昼食を摂っていると、東北で震度7の地震があったらしいと同僚が教えてくれた。 マグニチュード7の間違いだろうと思ってネットをのぞくと、確かに震度7と報じられていた。だがその段階で今伝えられているような規模での被害を想像することはなかった。まったく不合理ではあるのだが、阪神大震災のような規模の被害が自分が生きている間に再び起きるはずがないと決め込んでいた。 ほどなくして伝えられたいくつもの映像を目にしても、それがリアルな感覚をもたらすまでには相当な時間がかかった。浸水する仙台空港、防波堤を越える津波、炎上したまま流される家屋。どれを見ても現実に起きたことだとはなかなか思えなかった。 この剥き出しの不条理にどのように立ち向かえばよいのか? 不条理を天罰として回収しようとする動きもある。