人気ドラマ「セクシー田中さん」(日本テレビ)の原作者・芦原妃名子さんが急逝した。亡くなる直前、芦原さんは「原作から大きくかけ離れた別人のようなキャラクターに変更される」などと、ドラマの脚本をめぐるトラブルをSNSに投稿していた。なぜテレビ局は原作通りの映像化を進めなかったのか。テレビ東京でドラマ・プロデューサーを長く務めた、桜美林大学教授の田淵俊彦さんは「原作モノのドラマを映像化するためには、4項目を完璧に遂行する必要がある。しかし、今の日本のテレビは、それができる時間も、カネも、余裕もない構造的な欠陥を抱えている」という――。(後編) テレビ局が、原作マンガを原作通りにドラマ化できない理由 前回、私は「今回の“不幸な”事件がなぜ起こってしまったのか」という原因として、①「ドラマ偏重主義」からくる「ドラマ多産化現象」と②コミュニケーションの断絶を挙げた。その後、大きな反響と意見や質問を皆さ