神戸市中央区の宇治川で、野生のイノシシ1頭が、高さ約6メートルのコンクリート塀に囲まれた場所から抜け出せずにいる。市条例で餌付けが禁止されている区域だが、食べ物がない状態を見かねた住民らが餌を与え、すみ始めて1年近くになる。保護や捕獲を要請する相談もあるが、鳥獣保護法では、人や財産に危害を与える場合などに限られており、市は「かわいそうなだけでは動けない」。土地を管理する兵庫県も「実質的な被害がないと…」と法の壁に救出できない状態になっている。(藤本淑子) 同市中央区の宇治川のえん堤内(長さ64メートル、幅27メートル)。近くの70代の女性によると、昨年冬ごろ、住民がうり坊のイノシシを発見した。誤って入りこみ、戻れなくなったとみられる。 餌付け禁止区域だが、食べ物はなく、住民がパンや果物を与え、今では1メートルほどの大きさに成長した。愛らしさが人気を呼び、いつしか近隣住民から「イノちゃん」「