中二のころのおれの中で流行った妄想といえば超空間接続妄想なのだけれども、これはようはどこでもドアで妄想するということである。実際にはドアというよりも、こう、5cm角くらいの平面がいきなり宙に浮かんでいて、それがどこか遠くとつながっているようなイメージで、しかも中二男子が妄想する《遠いどこか》といえば女性のおっぱいか股間と相場が決まっているのである。 ある日おれがテレビを見ながらぼんやりしていると、目の前に白い超空間平面が現れる。おそるおそる指を伸ばし、その白い超空間平面をつつく。「はふん!」 え? この声ってもしやと思ってテレビを見ると、滝川クリステルが頬を染めているのである。ピンと来たおれは超空間平面の白い布をつまんでよけ、いろいろはじめてしまうのである。 肩を震わせ時折うつむきながらなおも番組を続けようとする滝川クリステルに、松本方哉が問いかける。 「滝川さんどうしたんですか? 放送中