北海道のヒグマの食性が明治時代以降の開発に伴って、肉食傾向から草食傾向へと急速に変化したことを、京都大学理学研究科の大学院生の松林順(まつばやし じゅん)さんらが突き止めた。ヒグマの骨の安定同位体を用いた食性解析による成果で、ヒグマの生態や北海道の環境変化を探る新しい手がかりとして注目される。北海道大学農学研究院の森本淳子(もりもと じゅんこ)准教授、総合地球環境学研究所の陀安一郎(たやす いちろう)教授らとの共同研究で、3月17日付の英オンライン科学誌サイエンティフィックリポーツに発表した。 ヒグマは北半球の広範囲に分布する大型の雑食動物。地域や季節ごとに利用しやすいものを食べ、環境の変化にあわせて食性を柔軟に変える特徴がある。これまでの研究から、北海道のヒグマはフキやセリ科などの草、ヤマブドウ・サルナシの果実といった植物中心の食性であることがわかっている。ヒグマの食べ物はサケという印象