谷由起子さんは、1999年、 はじめてラオスを訪れます。 そこは、北部のルアンナムター。 電気もなく、お金というものもたいして必要ではない、 そんな暮らしのなかで 自然とともに、ひとびとが手作業で 「ほんとうに、ひつようなもの」として 布をつくっているようすを目にした谷さんは、 その生活や、かれらの生み出すものに、 強い衝撃を受けたのだといいます。 翌年、ふたたびラオスに渡った谷さんは、 村人たちといっしょに布づくりをはじめました。 私がこういうことをやっているのは、 本当に、たまたまなんです。 14年ほど前、そのころのラオスのルアンナムターは、 車の通る道ができて、 まださほど時間が経ってないような、 それまでは歩いていくか、 ヘリコプターで行くかぐらいの場所でした。 ラオスという国は1975年に独立したばかりですから、 国そのものもまだ若いんだけれども、 ルアンナムターの人たちというの
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