「新しいことをやりましょう、とあちこちであなたは書いていますが、現場は困ってしまいますね」。知り合いのコンサルタントから、やんわりとではあるが批判を受けた。言い返さなかったものの、考え方次第で新しいことはできる、と今でも思い込んでいる。 既存の方法を全面否定したり、土地勘の無い領域で闇雲に新事業を始めればそれでよい、というわけではもちろんない。とはいえ新しい取り組みをせず、コストを削減し、各種の法律を順守するだけで展望が開けるとも思えない。システムの安定稼働、内部統制と個人情報保護、こういった守りの取り組みだけでは息が詰まる。 こう考えて、新しいプロジェクトを始めた人を応援する、あるいは始めることを勧める報道を今年は心掛けている。だが、冒頭に書いたように、あるコンサルタントから「多くの企業の現場は相当疲れています。メディアがイノベーションだ、改革だ、と騒いでも、『その通り』と応じられる状態