本書はいわゆる「考えさせられる本」です。良い本ですが、タイトルにはトリックがあります。「名文」は書けるようになっても名文が書けるようになるとは言えないし、「方法」はほとんど述べられていません。 たとえそうであっても「文章がうまく」なりたいという人は、以前紹介した『文章力の基本』だけではなく、この手の本を読む必要があるでしょう。 「文章力の基本」は、ほとんど最初から最後までテクニックの話です。テクニックが文章を読みやすくしてくれるのは事実ですから、良質なテクニック本は必要です。一方で、どんなテーマを選び、「どういうつもり」で文を書くかということは、テクニカルに扱いきれません。そのためのマニュアル本は存在しないのです。そこを拾い上げたのが、『13日間で「名文」を書けるようになる方法』です。 かなりおおざっぱにたとえてみると、「文章力の基本」で訓練するのが「数学の力」だとすれば、『13日間で「名