私は、11月9日に鎌倉孝夫氏(埼玉大学名誉教授)と共著で、『はじめてのマルクス』(金曜日)を上梓した。マルクスの『資本論』の方法に基づいた社会分析は、われわれが置かれている社会的位置を客観的に認識するために重要だ。しかし、現在、このような視座から作られた経済学の入門書が少ない。それならば自分で作ってみようと思って、この本ができた。鎌倉孝夫先生(埼玉大学名誉教授)は、私が高校生時代に『資本論』の読み解きを手引きしてくれた恩師である。35年振りに鎌倉氏と『資本論』について語りあうことができ、感無量だった。 さて、人間は、食べなくては生きていくことができない。生きていくためには、誰もが何らかの経済活動に従事しなくてはならない。しかし、「経済とは何か」と聞かれると、ひと言で説明するのは難しい。本書は、マルクスの『資本論』を分析の基礎に据えた、現代経済に関する入門書である。 「マルクスなんて時代遅れ
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