事務所内は何故か数十人の担当者が席を連ねる。明らかにおかしいその人数。人件費がかかり過ぎというのは言うまでもない。 まともな出版社なら、書店の売り上げと雑誌関連であれば広告収入から利益が出る。 しかしこういったところは単行本で利益を得る。 どうやって利益を出すか。本を作って売ればいい。 売れない場合は在庫を抱えるだけ。ならば費用は自分が出さなければいい。 本が売れなければ利益が出ないならば最初からその費用に利益を上積みしておけばいい。 つまり、本を売るのではなく、製作するということがそのまま利益に繋がる。 本が売れようが売れまいが関係ないということ。 出版した所で、無名作家、弱小出版社の本を取次会社(出版社と書店の間をつなぐ流通業者)は扱わない。 大手と言われるところの本のどれを並べるかで悩む書店に、余計な本を置くスペースなどない。 万が一並んだとしても数冊が棚の端に並ぶだけ。それすら入れ