基礎知識 1 アジア圏内の遅延はおよそ100ミリ秒 海外拠点から国際ネットワークを経由して日本のサーバーにアクセスする場合,レスポンスが遅いと感じることが多い。通信距離が長くなると,大きな伝送遅延が発生するためだ。例として,東京のデータ・センターに海外の拠点からアクセスする場合の遅延の目安を見ていこう(図1)。参考までに書くと,一般的な社内LANであれば,遅延は1ミリ秒以下である。 ネットワークの伝送遅延は距離に依存するとはいえ,必ずしも地域間の距離に比例するわけではない。地図上ではわずかな距離しかない地域でも,回線が経由しているルートなどの影響によって遅延時間に大きな違いが生じるケースがある。 例えば韓国や台湾などアジアの中でも東京に近い地域との間では,ラウンドトリップの遅延は50ミリ秒程度。その先のシンガポールなど東南アジアになると,遅延時間は100ミリ秒程度にまで伸びる。ところが,地