新型インフルエンザに対して、成人の多くはある程度の免疫を持つ可能性があることが分かってきた。 データを分析すると、患者が増えているのは圧倒的に未成年。さらに新型用のワクチンの臨床試験では、1回の接種で成人の大半が十分な免疫を獲得できたことから、過去の季節性インフルエンザの免疫が、新型にもある程度働くという解釈で、厚生労働省のワクチンに関する専門家の意見交換会の見解がほぼ一致した。「ほとんどの人に免疫がない」とされてきた新型対策の見直しにつながる可能性がある。 全国約5000の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は、ほとんどが新型になった6月末以降、10月11日までで計20万人余り。年齢層別では10〜14歳が最も多く、未成年が85%。最新のデータでは新規患者の90%が未成年だった。大阪大の岸本忠三・元学長(免疫学)は、「子どもと大人の発症率の差は行動の違いだけで説明がつかない。過去
緑茶成分のカテキンが、新型インフルエンザウイルスの心臓部に直接作用して増殖を抑えることを徳島文理大学の葛原隆教授(薬学)らが突き止めた。 緑茶に抗ウイルス作用があることは知られていたが、仕組みがわかったのは初めて。 新型やAソ連型などのA型ウイルスは、増殖に不可欠なRNAポリメラーゼという酵素を持ち、人間や豚の細胞中のRNAという物質を切断して新しいウイルスの材料にしている。 葛原教授らが、A型ウイルスからこの酵素を取り出し、緑茶に多い5種類のカテキンを一つずつ加えたところ、2種類で酵素が働かなくなった。この2種類のカテキンと、酵素の分子の立体構造をコンピューターで計算し、重ね合わせると、酵素分子の表面にある複雑な形のくぼみに、カテキン分子がすっぽりと入り込むことがわかった。くぼみの中にはRNAを切断する「刃」があるが、カテキンがふたをし、働かなくしていた。 カテキンは腸で分解され、緑茶を
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