ゴトビ監督解任を受け、清水ユースの大榎監督に白羽の矢が立った。清水で初のプロ契約選手として黎明(れいめい)期を支え、現役引退後は清水コーチ、早大監督を歴任した。長期的にクラブを改革する適任者としてファンも待ちわびていた「レジェンド監督」が誕生。しかし、最初の使命はチームをJ1に残留させることだった。 就任会見で「オランダのようにワイドに張って攻撃するのは日本人には無理があると思う」と語った。攻守で数的優位をつくるのが日本サッカーの進む道とし、清水ユースなどで指針を与えてきた。 7月下旬、フロント上層部から最初に打診された際、大榎監督は固辞した。「自分がやるより、現在チームにいるコーチが(新監督を)やった方がいい結果をもたらすのでは」と進言もしたという。前監督と方向性がまるで正反対の自分が就任すれば、危機的な状況のチームはリスクを冒す。それでもクラブの強い熱意に押され、7月30日から指導