ソニーは19日、調剤データをクラウド上に蓄積するシステム「電子お薬手帳」を開発したと発表した。副作用事例の収集など、データの活用法にも広がりが期待されている。商品購入履歴などのデータをめぐっては、個人情報漏れのリスクが指摘されているが、同システムは個人情報とデータを分けて管理する「画期的な方法」(鈴木智行執行役EVP)で、クラウドによるビジネス拡大を狙う企業の注目を集めそうだ。 電子お薬手帳はIC乗車券などに使われる非接触IC技術「FeliCa(フェリカ)」を採用。患者がICカードを調剤薬局の専用端末にかざすだけで、患者と薬剤師が調剤履歴などの情報を共有できる。スマートフォン(高機能携帯電話)に専用アプリを入れれば、スマホで情報を見たり、服用後の副作用を記録することもできる。 クラウド上には、薬に関するデータのみを暗号化して保存する。不正アクセスを受けたとしても、個人情報が漏れる心配はない