7月17日より全国で公開が始まったスタジオジブリの最新作『借りぐらしのアリエッティ』。イギリスのファンタジー小説『床下の小人たち』を原作に、人間と小人という2つの世界を描いた物語は、ケルト文化を日本流にアレンジした世界観が大きな魅力となっている。実は民俗学的にも大きな共通点を持っているケルトと日本。今回は『借りぐらしのアリエッティ』の世界を紐解く人物として、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)のひ孫であり、島根県立大学短期大学部の教授、小泉八雲記念館の顧問も務める小泉凡氏に、その専門を生かした独自の視点で日本とケルトを解説してもらった。 (インタビュー・テキスト:タナカヒロシ 撮影:柏井万作) 世の中は人間だけの世界で完結していないんだよって。 ―『借りぐらしのアリエッティ』は、イギリスの小説『床下の小人たち』が原作になってますけど、小泉八雲作品との共通点はあるんでしょうか? 凡:小泉八雲は『