駅の公衆トイレで眠るのが美奈(仮名・18歳)の日課だ。 アルバイト先のキャバクラはラストが午前1時。すでに終電はないので、便座に腰かけてうとうとし、夜明けを待つ。電車が動き出せば、適当に化粧を落として制服に着替え、学校へ。睡眠不足と疲労で授業など頭に入るわけはないが、しかたがない。出席日数はもうギリギリなのだから―― 今、こんな高校生たちが全国で増え続けている。4月から高校無償化が始まるが、それでも高校卒業の危機にさらされる子どもたちが、来年も大勢現れるかもしれない。 高校生の“卒業クライシス”の実態について、現場に聞いてみた。 「PTA会費で校舎を修繕」!? 授業料の倍かかる「学校納付金」 全教・日高教・全国私教連が設けた「授業料・教育費緊急ホットライン」。実施は2月11日のみだったが、この日だけで156件の問い合わせがあったという。日高教 小池由美子さんは説明する。 「私立高校の学費を