最大の株主が社員持株会であるがゆえに上場しない? 上場するとなると、忘れてはいけないのは現在の株主だ。 リクルートの株主で比率が高いのは、社員持株会である。ここが全体の20%ほどの株を所有している。残りは大日本印刷、凸版印刷といった印刷会社。これはリクルートが本や雑誌を出版していることも背景にあるだろう。あとは広告代理店の電通、三井物産や伊藤忠などが持っている。だが保有比率はいずれも5%だから、社員持株会の大株主ぶりは圧倒的だ。 創業当時はともかく、現在のリクルートが上場に消極的なのは(なにしろうわさすら聞こえてこない)、「主要株主が社員」ということが大きいとわたしは見ている。上場すると、社員たちの持っている株の価値が上昇し、売却すれば多額のお金が舞い込むことになる。売却しないとしても多くの資産を手にすることになる。リクルートは、社員が急激に資金に恵まれて今までのハングリー精神が失われてし