年末に向け、政府や厚労省がワクチンの追加接種を改めて呼びかけている。すでに新型コロナワクチンの総接種回数は3億5000万回を超え、国民のうち2回接種した人は80.4%、3回目も同67.2%と高い水準を誇る(12月8日現在)。一方、世界各国ではワクチンの追加接種のペースは鈍り、同時にワクチンに関する様々な研究データも発表され始めている。斯界の権威が語る、「ワクチンを正しく理解する」ための最新の科学知見とは――。 【写真】政府は公表しない、村上教授によるワクチンと接種に関する独自データ *** WHO(世界保健機関)によると、11月に入って以降、日本の週間感染者数は4週連続で世界最多となり、感染が拡大している「唯一の先進国」とも評される。 ワクチンの追加接種が進む日本で感染が広がりを見せている背景について、東京理科大学名誉教授の村上康文氏(専門は免疫学と分子腫瘍学)がこう話す。 「著名な学術誌