「今年度は10億円の赤字です! 節約しませんか? ペーパータオルはたくさん取らずに1枚だけ」 千葉市の千葉大医学部付属病院(ベッド数835床)の職員用トイレにはこんな貼り紙がある。 2014年度決算は7億円の赤字だった。04年度に国立大学法人になって初の赤字。消費税率8%への増税が病院経営を直撃した。 公的保険の医療サービスは消費税が非課税だが、病院が仕入れる物品には消費税がかかる。今回の増税で千葉大病院は消費税の支払いが5億円増えた。診療報酬による穴埋めを差し引いても2億円の負担増だ。 赤字対策としてあらゆる経費節減に取り組む。残業を減らすため、従来は午後6時や7時に始めていた医療スタッフの会議を5時開始に早めた。手術用の帽子や注射器などは千葉市立の2病院と共同購入し、単価の引き下げを図る。 薬はもともと安い後発薬を優先してきたが、さらに徹底し、7月には後発の比率が80%に達した。2月に