「学習環境(Learning Environment)」とは一体何を意味するのでしょうか。実は、この問いは一見簡単なようで一番難しい問いのひとつです。なぜなら、「学習環境(Learning Environment)」とは実体のないいわば「虚数i」のようなことばであり、その語の使用は多義的な文脈に「開かれており」、その意味するところ、すなわちシニフィアンは、研究者の数だけ存在しているといってもよいくらいであるからです。 ただ、そうはいうものの、議論を進めるためには、「虚数i」のままにしておくことはできません。故に、本ページでは心理学史あるいは教育工学史的な観点から、「学習環境」という専門用語の由来を検証してみることにします。 心理学史・教育工学史の観点から「学習環境」という専門用語を調べてみますと、その由来は1980年代に隆盛をきわめ現在の学習論においてもその系譜の影響が見られる「構成主義(