付注3-2-1 GTAPの計算方法について 1.GTAPモデルの概要 GTAPモデルは、ウルグアイラウンド交渉、GATTといった各国間の貿易政策のインパクトを数量的に把握することを目的として、1992年に設立されたGTAP(Global Trade Analysis Project)により構築された応用一般均衡モデルである。 GTAPモデルは、実際のデータを用いて一般均衡を達成するように作成された一時点のデータベースと主体の行動を規定するパラメータ(代替の弾力性、需要の所得弾性値、自財価格弾性値)から成り立っている。現時点で最新のデータベースは、1997年時点の各国データを元に作成されたVersion5データベースであり、これを用いることで最大66か国、57産業について分析を行うことが可能である。 GTAPモデルの体系は以下のとおりである(付図3-2-1)。まず、各国経済には一国全