巧妙化する標的型サイバー攻撃。企業・組織の現場担当者からは、「自組織内に知見が少ない中、どうやって攻撃を発見・対処すべきか」という声が聞かれる。この特集では、攻撃者がどんな目的で攻撃するのかを解説し、企業・組織の現場担当者がどう対応すべきか、実践的な対策を提案する。 前回の記事:手法再現で理解する、標的型攻撃を受けた端末は一体何をされるのか(2) 攻撃者は、痕跡を偽装、消去する 攻撃者は、目的を達成すると自身の活動の痕跡を偽装したり、消去したりします。痕跡消去の代表的な手法はWindowsのイベントログなど、各種ログの削除があります。実際には、サーバーのイベントログなどのローテイトサイクルを悪用して削除タイミングにシステムの時刻をずらし、自身の認証情報を隠ぺいし時刻を戻すといった事例を確認しています。 他の痕跡消去のケースでは、目的達成後に不要になったバックドアをCMDなどの正規ファイルで