大阪市住吉区で平成16年2月、当時の大阪地裁所長が襲われ重傷を負った事件で、大阪高裁(古川博裁判長)は17日、強盗致傷などの非行事実で中等少年院送致となった後、大阪家裁から「再審無罪」に当たる保護処分取り消し決定を受けた元少年(21)=事件当時(16)=について、検察側の抗告を棄却する決定をした。 犯人グループとして関与を疑われた5人のうち、すでに成人2人は刑事裁判で無罪、当時14歳の少年(19)も無罪に当たる不処分がそれぞれ確定している。当時13歳の少年(18)を除き、刑事裁判や少年審判にかかった4人が事件から約4年7カ月ぶりに「全員無罪」の司法判断が確定した。 決定理由で古川裁判長は、検察側が立証の柱とした元少年や共犯少年らの自白の信用性を検討。元少年が犯行に関与していない別の恐喝未遂事件でも自白した点に触れ「捜査機関が描いた構図による追及、誘導に迎合し、自白が誘発された現実的な可能性