先日、NHKで放送された『球団が消える? プロ野球選手会103日間の闘い』を見た。 '04年、オリックスと近鉄の球団合併騒動をめぐり、日本プロ野球選手会が史上初のストライキを敢行。当時の古田敦也選手会会長と、松原徹事務局長のふたりを主人公に、選手会とNPB(日本野球機構)との息詰まる交渉の模様を、ドラマ仕立てで再現したドキュメンタリーだ。 古田敦也が、オーナーたちとの交渉の席で「おまえは労働基準法を知ってるのか?」などと意地の悪い攻められ方をされる対策として、試合の合間を縫ってカラオケボックスで弁護士と法律を勉強していた、といったエピソードも初めて知ったが、いちばん目頭が熱くなったのは、工藤公康投手(当時巨人)が発言する場面だ。 巨人の選手に松原事務局長が交渉の内容を報告に行ったとき、工藤がみんなの前でこう話す。 「自分たちは何もしてないので、申し訳ないと思っている。でも、