思春期などには、自分というものが 不安定になる。 その不安定さは、つまりは、 「成長しつつある」ということの 証しであり、 不安定であることは、つまりは成長に 伴って避けることのできない トレード・オフである。 一方、いい大人になってしまってから 往々にして 見られる現象であるが、 とりたてた成長の徴候なしに不安定になる ことがある。 そのような不安定は、本人を、そして周囲の 人を、予想の付かないカオスの中へと 巻き込み、その中でかえって、永遠に 続く日常のようなものが演出されてしまう。 不安は、どのようにも精神を彫啄 できる、メスのようなものなのだ。 街を歩いていて、時折、言いようの ない存在の不安とでもいうべき「発作」 に襲われることがある。 そのような時、これは自分の精神の 変化にとって大切な何かであろうと 直覚する。 自分の人生が、生きている限り止まることの ない不断ナル運動に巻き